
問1 火害等級の推定として、箇所A、C、D、EはⅡ級、箇所BはⅢ級と推定する。推定理由として、箇所Aはすすの付着と一部微細ひび割れがあることから、推定受熱温度は0~300℃で、コンクリートの表面劣化のみと考える。箇所CとEは共にすすの付着と厚さ5㎜程度の浮きであることから、推定受熱温度は0~300℃でコンクリートの表面劣化のみと考える。箇所Dは、すすの付着のみで推定受熱温度は0~300℃であり、コンクリートの欠陥は無いことから火災による影響は表面変状のみと考える。箇所Bはコンクリートの変色状況がピンク色であることから推定受熱温度は300~600℃であり、微細ひび割れと厚さ10㎜であることから、火災による小さい被害がある状態と考える。
問2 追加調査項目として、①リバウンドハンマーによる反発硬度試験、②中性化試験、③コンクリートの物性試験(圧縮強度試験、弾性係数試験)、④受熱温度の推定試験(UVスペクトル法)、⑤鉄筋の物性値試験(降伏点強度、引張強度、伸び)である。留意事項としては、①コンクリート表面の変色状況をもとに調査し、健全部も含め劣化度の相対比較を行う。②鉄筋かぶり以上までの深さを試験し、不導態被膜の消失等、鉄筋への影響を調査する基礎資料とする。また、火害を受けていない箇所も試験し、火害により中性化の進行を把握する。③リバウンドハンマーの調査結果をもとにコア採取箇所を選定する。また、健全部からも採取し、火害による劣化の度合いを把握する。圧縮強度より弾性係数の方が物性値の低下が考えられる。④かぶり以上の深さを調査し、鉄筋付近の受熱温度を調査する。⑤受熱温度の推定試験の結果、鉄筋付近で500℃以上の火害がある個所について、鉄筋の抜き取りを行い、物性試験を行う。
問3 躯体の補修、補強すべき箇所とその具体的な補修・補強方法として、箇所Aについて、一部に発生したひび割れにはひび割れ被覆を行い、コンクリート表面に付着したすすは除去し、セメントペーストの塗布を行う。箇所Bについて、スラブ下面の浮きを除去し、断面修復を行うが補修深さについては、中性化試験やコンクリートの物性試験の結果に応じ、劣化した深さまでのコンクリートの除去と断面修復を行う。また、鉄筋の物性値の低下があれば、添筋等の補強を行う。箇所CとEについて、コンクリート表面に付着したすすを除去するとともに、浮き部分のコンクリートの除去と断面修復を行う。箇所Dについて、コンクリート表面に付着したすすの除去とセメントペーストの塗布を行う。
