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問1 A部に発生している変状の原因をASRと推定する。その理由として、①ひび割れ発生の状況が亀甲状であること、②A部で発生した白色析出物に多量の二酸化ケイ素が含まれていたこと、③A部には、路面からの水分の供給と、塩化ナトリウム散布によるアルカリの供給があること、④当該橋梁の供用開始が1975年であり、ASR抑制対策が取られる1986年以前の構造物であること、である。これらから、有害鉱物を含有する骨材が使用されたコンクリートに、路面から塩化ナトリウムが含まれた水分供給があったため、有害鉱物とセメント中のアルカリ、塩化ナトリウムによるアルカリが反応し、ASRゲルが生成され、さらに水分を吸水し、膨張することによって、コンクリートにひび割れを発生させ、ひび割れからゲルが滲出したと考えられる。A部の変状がB部に比べて著しい理由として、B部は雨がかり等がなく、水分の供給がほとんどないと見えるが、A部は水がかりの跡があり、水分の供給がある。さらにその水分はアルカリを含んでいるため、A部の変状がB部と比較して著しいと考えられる。

問2 調査項目として、①ASRゲルや反応リム、有害鉱物の調査、②残存膨張性の調査、③鉄筋の健全性の調査、④コンクリートの物性値の調査、である。調査方法として、①構造物からコアなどの試料を採取し、偏光顕微鏡やSEM、X線回折によるコンクリートの微細組織の観察を行う、②採取コアにより促進棒率試験を行う、③変状箇所の内部鉄筋をはつり出し、腐食の有無や変形や破断の有無を目視観察する。また鉄筋を抜き取り、引張試験や弾性係数試験を行う、④採取コアにより、コンクリートの圧縮強度試験や弾性係数試験を行う。対策としては、①水分の供給を遮断する。路面から水分が流下する箇所に表面被覆を施す、また、排水設備を整備し、コンクリートに水分がかからないような対策を行う、②鉄筋に腐食や変形、破断等の異常がある場合は、防錆処理や、添筋による補強、又は交換を行う、③ASRゲルの吸水膨張を抑制するため、亜硝酸リチウムを含浸又は注入する。④ひび割れ発生箇所の注入や充填による補修を行い、鉄筋腐食によりかぶりコンクリートに浮きがある個所はかぶりコンクリートを除去し、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行う。