問1 写真1の変状の原因を、凍害によるものと推定する。推定理由は、①PC鋼材に沿ったひび割れであること、②ひび割れ部に発生している、エフロレッセンスと考えられる白色析出物にさび汁が見られないこと、③立地位置が内陸部であり、凍結防止剤散布の履歴があることから、冬季には氷点下以下になることが考えられること、④橋面防水が設置されておらず、かつ、PC鋼材の定着位置が床板上面にあり、路面水が床板コンクリートに浸透する構造であったこと、である。これらの理由から、桁のコンクリートの打設時にコンクリートの沈降により発生したシース管下の空隙に、橋面防水が無い床板から浸透した路面水が侵入し、その侵入水が冬季に凍結融解を繰り返すことによって、ひび割れが発生した。そして、そのひび割れから侵入水がエフロレッセンスとして析出し、写真1のようになっていると推定する。推定結果を確認するための調査項目として、①冬季における1日の最低気温、最高気温等の、環境調査、②白色析出物の成分調査を行い、エフロレッセンスであることや、塩化物イオンの混入の有無を確認する。写真2の変状の原因を、塩害によるものと推定する。推定理由は、①鉄筋の著しい断面欠損を伴った、かぶりコンクリートの剥落があること、②冬季には凍結防止剤として、塩化ナトリウムが散布されており、塩化物イオンの供給があったこと、③横桁側面に漏水のあとが見られること、である。これらの理由から、冬季に路面散布された塩化ナトリウムが雨水とともに、横桁側面を経由して桁下面に流下し、乾燥と湿潤を繰り返すことにより、塩化物イオン濃度が大きくなり、鉄筋腐食が進行し、その結果かぶりコンクリートが剥落したと推定する。推定結果を確認するための調査項目として、①桁側面、桁下面において、塩化物イオン濃度を測定する。

問2 今後50年間供用するために必要な対策として、写真1の変状に対しては、①橋面防水を設置し、路面水の浸透を防止する、②ひび割れ注入により、ひび割れの閉塞を行い、劣化因子の侵入を防止する。また、ひび割れ注入前には、ひび割れ部の内部鉄筋の状況を調査し、腐食等あれば、防錆処理等の対策を行う。写真2の変状に対しては、①塩化物イオン濃度調査に基づき、腐食発生限界濃度を超えている範囲又は深さのコンクリートを除去し、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行う。その際鉄筋の腐食状況を調査し、必要に応じ、防錆処理や添筋又は交換による補強を行う。②排水管の設置等、排水設備を整備し、路面水が桁下になるべく流入しないような処置を行う、③路面水の流下が考えられる箇所に、表面被覆等の表面保護工を行う。