問題5

 コンクリートの中性加速度係数に関する次の記述中の(A)および(B)に当てはまる(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか。なお、コンクリートの品質や二酸化炭素濃度は変化しないものとする。

 中性化深さは時間の平方根にほぼ比例することが知られており、JIS A 1153(コンクリートの促進中性化試験)に従って促進試験を行った場合、促進期間によらず中性化速度係数は一定となることが多い。

 一方、降雨の影響を受ける屋外気中環境化においては、数年以上の長期にわたって評価すると、経年とともに中性化速度係数が小さくなることがしばしば見られる。このような部分では構造物の表層から深さ1cm程度の部分と比較して、より内部のコンクリート中の含水率が(A)状態が継続することにより、二酸化炭素のコンクリート内部への侵入が(B)され、中性化速度係数が小さくなる。

解答 (4)

解説

 中性化は、コンクリート中の細孔空隙に二酸化炭素が侵入し、細孔溶液に溶解することによって進行する。コンクリート中の含水率が高いということは、細孔空隙が水分で閉塞されている状態ということで、含水率が低い状態に比べ、二酸化炭素の侵入や拡散が進行しにくい状況(中性化速度係数が小さくなる)となる。また、含水率はコンクリートの表面からの深さが深くなるほど含水率が高くなるため、中性化が進行しコンクリート内部に進行するほど(経年とともに)、中性化速度は小さくなる。

 逆にコンクリート中の含水率が低い場合は、細孔空隙に侵入した二酸化炭素が溶け込む細孔溶液が少なく、炭酸化反応が起きない為、中性化が進行しにくい状況となる。

 このため、中性化速度は二酸化炭素の侵入と炭酸の侵入と炭酸化反応が両方起きる中程度(50%前後)の湿度で最大となる。