築20年のRC造の集合住宅で火災が発生した。火害による構造物の劣化(損傷)状況の調査を約10日後に実施した。表1は外観目視調査の結果、表2は鉄筋のかぶり厚さおよび中性化深さの測定結果である。
調査結果よりコンクリートに対する火害の影響を評価した次の記述中の(A)~(C)に当てはまる(1)~(4)の語句に組合せのうち、適当なものはどれか。

外観目視調査の結果より、柱ではすす(すす)が残留していることから、火害による推定受熱温度は(A)以下と考えられる。また、天井および梁ではコンクリート表面がピンク色に変色していることや、ひび割れの発生が認められるための受熱温度は(B)と推定される。なお、中性化深さの結果より火災による内部の鉄筋への影響は(C)といえる。

解答 (2)
解説
火害等級
火害等級Ⅰ
・ 構造耐力上火災の影響を全く受けていない状態。
・ 仕上げ材料などが全面に残っており、補修は不要である。
火害等級Ⅱ
・ 構造耐力上影響はないが、表面劣化(0.2㎜以下のひび割れ)などの被害はある状態。
・ コンクリート表面にすすが付着しており、受熱温度は300℃以下である。
・ 洗浄や張替などの美観性の回復を行う。
火害等級Ⅲ
・ 構造耐力上影響が少ない状態であるが、表面に0.3㎜以上のひび割れが発生する。
・ コンクリートがピンク色に変色し、受熱温度は300℃以上である。
・ 軽微な補修で再使用が可能となり、強度劣化した部分は打ち直しを行う。
・ ひび割れを補修し、仕上げを施工して美観性の回復を行う。
火害等級Ⅳ
・ 構造耐力上影響が大きい状態であり、表面に数㎜のひび割れが発生する。
・ コンクリート表面が灰白色に変色し、受熱温度は600℃以上である。
・ コンクリートと主筋の付着に支障があり、一部爆裂が発生し鉄筋の一部が露出する。
・ 補修・補強によって再使用が可能となる。
・ 露出した鉄筋の防錆処理を行い、かぶりコンクリートの打ち直しと補強を行う。
火害等級Ⅴ
・ 構造耐力上甚大な被害がある状態。
・ コンクリート表面が淡黄色に変色し、コンクリートの受熱温度は950℃以上である。
・ 広範囲で爆裂が発生し、大きな鉄筋の露出が発生する。
・ スラブの一部が抜け落ちる、主筋が座屈するなどの損傷も生じる。
・ 劣化部分の除去及び更新を行う。
火災によるコンクリートの表面変色状況
~300℃ すすの付着
300~600℃ 桃色
600~950℃ 灰白色
950~1200℃ 淡黄色
1200℃~ 溶融
