図に示すように、ポストテンション方式PC箱桁のウェブ表面から衝撃弾性波法によってグラウト充填状況を調査する。この方法に関する次の記述中の(A)~(C)に当てはまる(1)~(4)の数値の組合せのうち、適当なものはどれか。
 ただし、コンクリート中の弾性波の伝搬速度は4000m/sとする。

 鋼製シース内部にグラウトが充填されていると、鋼球打撃により入力された弾性波は、図に示す面①と面②との間で反射を繰り返し、共振周波数f1は(A)kHzとなる。一方、グラウトが未充填の場合、共振周波数f1に加えて、図に示す面①と未充填箇所の間でも共振するため、共振周波数f2が(B)kHzの波も出現する。両者の共振現象を確認することで、グラウト充填の有無を把握することができる。ただし、適切に評価を行うためには、入力される弾性波の上限周波数が、共振周波数f1およびf2を上回っている必要がある。
 一般的に、鋼球打撃により入力される弾性波の上限周波数fmax(khz)は、次式から算出できる。
  fmax=1.25/Tc
 ただし、Tc:接触時間(ms)である。また、Tcは、次式で求められる。
  Tc=0.0043D
 ただし、D:鋼球直径(㎜)である。
 以上のことから、今回のグラウト充填状況の調査において、直径(C)㎜の鋼球を選定した。

解答 (3)

解説
衝撃弾性波による、コンクリート厚やコンクリート中の欠陥までの距離は下式で表される。
 L=nVp/(2f)
  L : コンクリート厚又はコンクリート中の欠陥までの距離
  n : 共振周波数の次数(n=1)
  Vp : 弾性波の伝播速度
  f : 共振周波数(Hz)
共振周波数f1は、
 0.3=4000/(2f1)
 f1=6.67kHz
共振周波数f2は、
 0.15=4000/(2f2)
 f2=13.3kHz
上限周波数fmaxは、13.3kHzを上回っている必要がある。
① 鋼球直径25㎜の場合
 Tc=0.0043×25=0.1075
 fmax=1.25/0.1075=11.6kHz・・・NG
② 鋼球直径15㎜の場合
 Tc=0.0043×15=0.0645
 fmax=1.25/0.0645=19.4kHz・・・OK
よって、鋼球の直径は15㎜を選定する。