
問1 当該床板の劣化原因を疲労によるものと推定する。推定理由として、環境の観点から、表1より、1日当たりの交通量が3万台と多く、また、大型車混入量も20%と比較的多いことから、大きい交通荷重が床板に作用していると考えられることや、設計の観点から、建設時期は1960年代後半であるため、当時の床板は薄く、また、配力筋の鉄筋量も少ない設計がされていることから、床板の曲げ耐力が小さかったことである。また、写真3から床板下面のひび割れからエフロレッセンスが滲出しており、床板防水が無いことがうかがえる。その為、床板は水分を多く含んでいることが考えられるため、疲労が促進される構造であったことも理由として挙げられる。これらの理由により、曲げ耐力の小さい床板に、過大な交通荷重が作用し、供用開始後10年目で床板下面に曲げひび割れが発生した。この曲げひび割れの補強のために縦桁が増設されたが、ひび割れ方向と同じ方向に設置されたため、その効果が十分に発揮されず疲労による変状が供用開始から10~30年の間進行した。このひび割れが床板を貫通させ、路面からの水分がひび割れを流下する状況となり、ひび割れ面の摩耗が促進させるとともにセメント粒子や細粒分が床板下面に流下し、エフロレッセンスの進出や、鉄筋の腐食に至った。また、同時に圧縮側コンクリートの骨材を分離させる現象が発生するため、舗装面にひび割れが発生したと考えられる。
問2 必要な対策として、①鉄筋防錆処理。床板下面から錆汁が発生しいる箇所の鉄筋をはつり出し、鉄筋の腐食状況を確認する。そのうえで鉄筋防錆又は添え筋等の補強を行う。また、鉄筋腐食の範囲を確認し、補修範囲を検討し、マクロセル腐食の発生を防止する。②ひび割れ注入。ひび割れ発生箇所にエポキシ樹脂等を注入し、劣化因子の進入路を閉塞する。床板の挙動に追随する可とう性のある材料を選定する。③床板防水設置。床板に水分が浸透しないように床板防水を設置する。車道を分割規制して作業するため、施工継ぎ目を確実に施工し、隙間が発生しないように留意する。④上面増厚工法。曲げ耐力補強のために、床板上面に増厚コンクリートを設置する。使用するコンクリートは鋼繊維補強コンクリート等を選定する。
