問1 写真2から、排水溝周辺に白色の析出物が見られる。この変状の原因として、硫酸塩による変状と推定する。図1から当該構造物は海岸から最短距離20mの位置に立地している。地下2階背面の地下水は海水であると考えらえ、埋立土は海生粘土層とレキ層から成る土層である。これらの環境から、外壁に発生したひび割れや壁と床の打ち継ぎ目不良箇所から構造物内部に侵入した海水に含まれる硫酸イオンがナトリウム塩として結晶析出したものと考えられる。写真3から、表面被覆が剥離しており、露出したコンクリートには鉄筋が見えており、鉄筋には腐食が発生している。この変状の原因として、塩害によるものと推定する。写真3の変状は単独で発生していることから、部分的に表面被覆が劣化又は破損しており、そこから構造物内部に侵入した海水混じりの地下水が侵入し、鉄筋を腐食させ、その膨張圧力により、コンクリートと表面被覆を剥離させたものと考える。鉄筋のかぶりが少ないように見えるため、塩害による鉄筋の腐食速度が速かったことも考えられる。

問2 調査方法として、①コンクリートの圧縮強度や弾性係数試験、②コンクリートブロック内部の外壁も含め、コンクリートのひび割れ等の外観調査、③自然電位法による鉄筋腐食の有無の調査と内部鉄筋をはつり出し、腐食量調査を行う。補修方法として、ひび割れがある場合は、注入を行い、ひび割れを閉塞する。ひび割れには漏水があるため、セメント系注入材やウレタン等、漏水箇所にも適用できる材料を選定する。鉄筋の腐食がある箇所は、内部鉄筋をはつり出し、腐食の程度に応じ、防錆処理又は添筋や鉄筋交換等の補修・補強を行い、ポリマーセメントモルタル等による断面修復を行う。床面の表面被覆工については、変状が発生していることや、経過年数を考慮し、全体を撤去し塗り替えを行う。補修後の維持管理計画について、構造物が海岸沿いに立地していることから、塩害による劣化に注意し、維持管理する。点検方法としては、定期的に外観調査を行い、変状の有無を調査する。特に塩害は鉄筋を腐食させ、コンクリート構造物の耐力を低下せるため、注意する必要がある。コンクリートのひび割れとひび割れからのさび汁の有無を目視調査することが重要である。