
問1 屋根スラブ天井面に生じた変状の原因として、屋根スラブコンクリートの乾燥収縮や温度収縮により発生したひび割れから、二酸化炭素がコンクリート内部に侵入することにより発生した中性化と、屋上のアスファルト防水の劣化による漏水により、水分がひび割れ部分に侵入することで発生した鉄筋腐食が原因と推定する。その推定理由として、①屋根スラブコンクリートの配合が、水セメント比が大きく、単位水量が多く、乾燥収縮が発生しやすい配合であったこと、②屋根スラブコンクリートの打込み時期が夏季であり、冬季に温度収縮が発生しやすい状況であったこと、③アスファルト防水が使用開始後40年間改修がなく、劣化している可能性があること、④屋根スラブ天井面のひび割れ箇所の周囲に発生した白色析出物が、漏水とともに発生したエフロレッセンスである可能性があること、である。
問2 補修計画を立案するための調査方法として、まず、変状原因特定のための調査方法として、①屋根スラブのアスファルト防水層の劣化の有無の調査。②屋根スラブ天井面に発生した、白色析出物の成分調査。③屋根スラブコンクリートの中性化試験。次に具体的な補修方法決定のための調査方法として、①屋根スラブコンクリート天井面に発生したひび割れの調査。②自然電位法による鉄筋腐食箇所の調査。③かぶりコンクリートの浮きや剥離の有無を確認するためのたたき調査。④露出した鉄筋の腐食量調査を行い、鉄筋の劣化度を確認する。⑤コンクリートの圧縮強度やヤング係数を測定し、コンクリートの物性値の健全性を確認する。補修方法として、①アスファルト防水層の撤去、再設置を行い、防水性能を回復させる。②腐食量調査結果に基づき、鉄筋腐食部の防錆処理又は添筋による補強や交換を行い、スラブコンクリートの耐荷力を回復させる。③ひび割れ箇所に対し、エポキシ樹脂を注入し、劣化因子の侵入経路を遮断する。屋根スラブコンクリートは日射による影響を大きく受けるため、コンクリートの伸縮を考慮し、使用する注入材は可とう性のある材料を選定する。④表面含浸を行い、劣化因子の侵入を防止する。使用する表面含浸材は、ケイ酸リチウム等のケイ酸塩系とし、コンクリートにアルカリ付与効果を有する材料を選定する。
