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問1 A部の変状の原因をアルカリシリカ反応によるものと推定する。推定理由は、ひび割れの状況が、鉄筋に沿ったものでなく、不規則に発生していることや、内部鉄筋に写真1のひび割れを発生させるような著しい腐食が見られないことである。B部の変状の原因もA部と同様に、アルカリシリカ反応によるものと推定する。推定理由は、ひび割れの発生状況が、亀甲状に発生しており、表2より使用骨材がフーチングを同一産地であることである。劣化の進行状況の差については、フーチングのように土中に埋設されておらず、水分の供給が少なかった為と考える。推定結果の妥当性を確認するためにA部とB部ともに必要な調査項目として、①現地からコアを採取し、解放膨張率試験と促進膨張率試験を行い、コンクリートの膨張性を確認する。また、採取したコアをSEMやEPMA、偏光顕微鏡で調査し、アルカリシリカゲルや、反応リムの目視調査や成分調査を行う。②コンクリートに使用した骨材の産地より、骨材を採取し、骨材のアルカリシリカ反応試験(化学法、モルタルバー法や迅速法)を実施し、有害か否かを確認する。③近辺の同年代に建設された構造物を調査し、補修履歴等を確認する。

問2 ①現在の橋脚の耐荷性能として、A部については、劣化の程度は大きいが、耐荷性能に大きく影響を与える箇所でなく、B部については、劣化の程度が小さく、耐荷性能に影響は無い。したがって、橋脚全体として、今のところ耐荷性能に大きな問題は無いと考える。②A部の劣化が進行した場合、ひび割れの幅や深さが大きくなり、内部鉄筋の腐食が進行することが考えられる。内部鉄筋の腐食が進行すれば橋脚の耐荷性能に影響を与える。B部の劣化が進行した場合、ひび割れの幅や密度、範囲が増大するが、直ちに橋脚の耐荷性能に影響を与える可能性は少ない。橋脚全体として、劣化部分の補修による対策が必要と考える。③フーチング部に施す対策として、劣化部分のコンクリートを除去し、内部鉄筋の破断箇所の補強や防錆処理を行う。その後、ポリマーセメントモルタルにより断面修復をする。また、残存膨張性が確認されれば、亜硝酸リチウムの含浸又は注入を行い、アルカリシリカゲルの吸水膨張を抑制する。さらに表面被覆を行い、水分の供給を遮断する。躯体部に施す対策は、基本的にはフーチング部と同様であるが、劣化の進行がフーチング部に比べ遅いため、残存膨張性はあると考えて良い。