
問1 ひび割れ①、③、④の発生原因として、変状発生箇所が南面であり、日射の影響を受けやすい箇所であるため、乾燥収縮による変状であると推定する。①の推定根拠として、ひび割れの発生状況が、パラペットの長手方向に直交する方向であり、等間隔にひび割れていることである。③の推定根拠として、ひび割れ状況が壁の中央に縦方向に発生していることである。これは、壁のコンクリートの乾燥収縮を梁や柱が拘束することによって発生していると考えられる。④の推定根拠として、ひび割れの発生状況として、開口部の隅角部に発生していることである。開口部の上下左右のコンクリートが収縮し、その応力が隅角部に生じ、ひび割れとなったと考えられる。ひび割れ②の発生原因として、コンクリートの温度差による変状と推定する。推定根拠として、ひび割れの発生箇所が建物の上部の隅に発生していることである。これは日射の影響を最も受けやすい屋上コンクリートと建物の壁面のコンクリートの上昇する温度差によるひび割れと考えられる。上部の隅両側にハの字に発生していることからこのように推定する。バルコニーにおける変状の発生原因として、アルミ支柱の膨張によりコンクリートを押し広げることによるものと推定する。推定根拠は、南向きに設置され熱膨張しやすい環境であり、アルミは比熱が小さく、膨張率は鉄の約2倍であるためと考える。
問2 建築物の当面の対策に必要な調査方法として、コンクリートのひび割れ調査を行い、当面の対策として有害なひび割れに対し、追従性のある材料でひび割れ注入を行う。バルコニーの当面の対策に必要な調査方法として、アルミ支柱足元の変状発生の有無の調査を行う。変状が発生している箇所は、ひび割れ注入を行うか、かぶりコンクリートが浮いていれば、不良部分を除去し、断面修復を行う。
問2 建築物の当面の対策に必要な調査方法として、コンクリートのひび割れ調査を行い、当面の対策として有害なひび割れに対し、追従性のある材料でひび割れ注入を行う。バルコニーの当面の対策に必要な調査方法として、アルミ支柱足元の変状発生の有無の調査を行う。変状が発生している箇所は、ひび割れ注入を行うか、かぶりコンクリートが浮いていれば、不良部分を除去し、断面修復を行う。
問3 今後50年間使用するための維持管理計画として、建築物については、自然電位法により鉄筋腐食の可能性のある個所を調査し、腐食箇所の補修として、鉄筋防錆とポリマーセメントモルタルによる断面修復を行う。また、中性化深さと塩化物イオン濃度の調査も行う。バルコニーについては、塩化物イオン濃度の測定やエフロレッセンスと思われる白色析出物の成分調査、アルミ支柱根本の腐食の有無調査を行う。腐食が確認されれば、防錆処理とポリマーセメントモルタルによる断面修復を行う。また、屋上のコンクリート温度上昇を抑制するために、断熱材を設置することも検討する。
