
問1 PC箱桁橋のA部とB部の変状の原因として、塩害によるPC鋼材の破断と推定する。その推定理由として、①表1より、床板防水が設置されていないこと、②図4より、PC鋼材のグラウトホース注入口が床板上面にあること、③写真2より、シース配置箇所にエフロレッセンスと錆汁を伴ったひび割れが見られること、④写真1より、定着部であるA部にPC鋼材の抜け出しがあること、である。これらにより、冬季に橋面に散布された凍結防止剤が、雨水等と共にグラウトホース内の隙間を侵入路としてPC鋼材まで到達し、腐食させ、PC鋼材の破断に至ったと推定する。健全性の診断に必要な調査項目として、①塩化物イオン濃度試験、②中性化試験、③B部コンクリート内部のPC鋼材や周囲の鉄筋の腐食量調査、④載荷試験による箱桁の剛性の調査を行う。RC中空床板のC部の変状の原因として、塩化物イオン濃度の凝縮による塩害と推定する。その推定理由として、①写真3より、錆汁とかぶりコンクリートの浮き・剥離が見らること、②横断勾配によりC部の上部に凍結防止剤が混入された水分が集中しやすいこと、③高欄と床板は施工時期が異なることから、継目に隙間が生じやすく、水分が侵入した可能性があること、である。こららにより、凍結防止剤が混入された水分が横断勾配によりC部上部集中し、高欄と床板の隙間から床板下面に流下した。水切りにより水分は遮断されるが、コンクリート内部に浸透した塩化物イオンが蓄積され、高濃度となり、濃度勾配によって床板内側に浸透したと推定する。
問2 この橋梁を今後50年間使用するために必要な対策として、PC箱桁橋においては、①床板防水を設置し、凍結防止剤による塩化物イオン混入の水分が床板内部に浸透しないようにする、②B部内のシース管、PC鋼材、周囲の鉄筋をはつり出し、防錆処理や補強を行う。その後、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行う。③PC箱桁の剛性が低下しているようであれば、床板下面に鋼板やFRPを貼付け、引張り耐力を向上させる。RC中空床板橋においては、①緊急の対策として、C部の浮き・剥離が見られるかぶりコンクリートを除去し、市道交差部における第三者対策を実施する、②橋面部の排水設備を整備し、橋面に凍結防止剤が混入された雨水等が滞水することが無いようにする、③高欄と床板の継目から水分が浸透しないよう、継目をひび割れとみなし、ひび割れ充填を行う。④C部のコンクリート内部の鉄筋をはつり出し、鉄筋の防錆処理又は補強を行い、ポリマーセメントモルタルで断面修復を行う、⑤C部に表面被覆を行い、水の浸透があった場合の塩化物イオン浸透防止対策を行う、⑥市道交差部であるため、剥落防止対策を行う。
