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問1 桁コンクリートの変状の原因をASRと推定する。推定した理由は、①写真4から、錆汁を伴わない軸方向鉄筋に沿ったと思われるひび割れが見られること、②写真5から、コンクリート表面部剥離箇所の骨材に反応リムが見られること、③写真2や5から、桁の継ぎ目にエフロレッセンスが見られるため、路面からの雨水等による水分の供給が考えられること、④表1より、桁コンクリートの設計基準強度が500kg/mm2であり、豊富なアルカリが含有されていること、⑤表1より、完成年が1975年であり、ASRの対策がとられる以前に建設されていること、である。これらにより、床板防水が設置されていないと思われる床板に水分が供給され、豊富なアルカリを含有した桁コンクリートにASRが発生し、桁コンクリートが変位・変形した。そして、間詰コンクリートや均しコンクリートを破損させ、路面にまで影響を及ぼした。その結果、桁の継ぎ目や桁全体に水分が供給されるようになり、桁継ぎ目のエフロレッセンスや、桁下面の剥離・剥落やひび割れ発生に至ったと推定する。

問2 必要な調査項目として、①骨材のASR反応性試験。使用した骨材の産地から骨材を採取して、試験を行う、②偏光顕微鏡等にて、変状箇所から資料を採取し、ASRゲルや反応リム、ひび割れを確認する。③変状発生箇所の内部鉄筋をはつり出し、腐食の有無を調査する。④コンクリートの物性値の調査を行う。桁コンクリートからコアを採取し、圧縮強度試験や弾性係数試験を行い、健全なコンクリートであるかを調査する。⑤促進膨張率試験。桁コンクリートからコアを採取して、残存膨張性の有無を調査する、⑥床板防水の有無の調査。設計図書や現場において、床板防水の有無を確認する、⑦桁の剛性の評価。載荷試験等により、変状による桁の剛性への影響を調査する。対策として、①鉄筋の腐食箇所の防錆処理を行う。②桁コンクリートに亜硝酸リチウムを含浸又は注入し、ASRゲルの吸水膨張反応を抑制させる。③ひび割れ発生箇所をエポキシ樹脂等により注入し、ひび割れを閉塞する。④床板防水を設置する。アスファルト舗装を均しコンクリートを撤去し、間詰コンクリートの打ち替えを行う。その後、床板防水を設置し、均しコンクリートと、アスファルト舗装を復旧する。⑤排水設備の整備。舗装の勾配に合わせ、適切に排水されるように、排水桝等を設置し、排水整備を行う。⑥桁の補強を行う。載荷試験等により、桁の剛性が低下している可能性があれば、桁下面に鋼板又はFRPによる接着工法を施すか、あるいは、桁下面をポリマーセメントモルタル等で増厚し、曲げ耐力の向上を図る。