アルカリシリカ反応の発生が疑われるコンクリート構造物について、JCI-S-011-2017(コンクリート構造物のコア試料による膨張率の測定方法)に従ってコア試料を採取して膨張率を測定したところ、図のとおりとなった。この測定によって得られた膨張率に関する次の記述中の(A)および(B)に当てはまる(1)~(4)の語句および値の組合せのうち、JCI-S-011-2017の規定に照らして、正しいものはどれか。
養生条件①で膨張率の測定値が一定値に収れんしたので、養生条件②で膨張率の測定値が収れんするまで測定を行った。この結果から、ε1の値を(A)として、また、(B)の値を促進膨張率として報告した。


解答 (4)
解説
解放膨張率試験
コンクリート構造物から採取した時を基準に、コア試料を温度20±2℃、相対湿度95%以上で養生した時に生ずる膨張率が一定値に収れんした時の膨張率。
促進膨張率
解放膨張率が一定値に収れんした後、コア試料を温度40±2℃、相対湿度95%以上で養生した時に生ずる膨張率が一定値に収れんした時の膨張率。この一定値に収れんした膨張率から解放膨張率を差引いた値を促進膨張率という。以前は残存膨張率と呼んでいた。
解放膨張率試験は、調査時までにどの程度既に膨張していたかを把握するためのもので、促進膨張率試験は、最終的にどの程度まで膨張するかについて把握するためのものであるが、解放膨張率試験の結果は、コア採取時の水や応力解放の影響を複雑に受けており、測定値の持つ意味が不明であること、促進膨張率試験の結果は、あくまでも促進環境下における結果であり、現実の環境下における膨張率でないため、両結果においては膨張量を推定する目安として利用すべきである。また、実際の構造物の膨張挙動は、鋼材による拘束の影響を受けるので、構造物の拘束鉄筋比との関係より将来における膨張率を予測することが必要になる。
