硫酸塩土壌に建設された戸建て住宅の布基礎の図に示すア部において、竣工から10年後に白い析出物の生成とスケーリングが確認され、スケーリング部より内部まで中性化が進行していた。これらの変状に関する次の記述中の(A)~(C)に当てはまる(1)~(4)の語句のうち、適当なものはどれか。

 ア部では、土壌に含まれる硫酸塩を含んだ地下水が毛細管現象によって上昇し、さらに(A)状態となることで硫酸塩が濃集し、(B)の結晶化に伴う膨張圧によりスケーリングが生じたと判断した。また、イ部では、ア部よりも硫酸塩劣化の速度が(C)と判断した。

                      図 戸建て住宅の布基礎の断面図

解答 (4)

解説
 問題文のとおり。ア部は床下であるため、降雨の影響を受けにくく乾燥しやすい。そして、乾燥したア部において、毛細管現象により硫酸ナトリウムを地盤から吸い上げた後、水分のみが逸散し、また乾燥する。その後また硫酸ナトリウムを吸い上げ、乾燥する。この作用を繰り返し、硫酸ナトリウムの濃度が高くなり、写真のような変状が発生する。イ部はア部に比べて濃度が低いため、変状の進行は遅い。