凍害の疑いがあるコンクリート構造物の異なる2箇所から採取した。このコアを用いた超音波透過法による当該深さの測定に関する、次の記述中の(A)~(D)に当てはまる(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか。

 凍害深さの測定方法の一つに、図1に示すように採取コアの直径方向に超音波を透過させ、深さ方向の速度変化から当該深さを求める方法がある。

 図2は採取したコアを湿潤および乾燥状態で超音波伝搬速度を測定した結果である。コアの内部に微細ひび割れが生じていると超音波伝搬速度は(A)なるため、図2の(B)のコアは(C)のコアよりも凍害による劣化が進行していると評価する。

 また、超音波伝搬速度はコンクリートの含水率の影響も受ける。これは、水中の超音波伝搬速度の方が空気中よりも(D)ためであり、超音波伝搬速度を用いて当該深さをより的確に評価しようとする場合には、乾燥状態のコアを用いることが望ましい。

解答 (4)

解説

 超音波伝搬速度は、伝わる物質により異なり、普通コンクリートの伝搬速度は4,000~4,500m/s程度であり、コンクリート内部に微細ひび割れがある場合、伝搬速度は遅くなる。この特性を利用した検査が、問題文にある検査である。コンクリートと鉄筋では、鉄筋の方が伝搬速度は大きい。その他の物質として、大気中では約340m/s、水中では約1,500m/sである。また、コンクリートのひび割れ部を回折して伝搬する時間を利用した、ひび割れ深さの定試験(修正BS法、Tc-To法)もある。