コンクリートの反発度の測定原理に関する次の記述中の(A)~(D)に当てはまる(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか。
下図は、リバウンドハンマー先端のインパクトプランジャー(打撃棒)とコンクリートの接触位置(写真の赤線で囲んだ部分)でのコンクリートの変形の概念図を示したものである。
一定のエネルギーでコンクリート表面を打撃したとき、図中の(b)の①で示すインパクトプランジャーの打撃による最大貫入量は、(A)と(B)の変形量の和で表される。打撃による(A)変形が回復することによりインパクトプランジャーが押し戻される。反発度は、この押し戻される跳返り量を測定することで得られる値である。
打撃後、図中の(c)の②の(B)変形分はくぼみとして残る。(B)変形に消費される打撃エネルギーが小さければ跳返り量は(C)なり、コンクリートの反発度が(D)なる。


解答 (3)
解説
インパクトプランジャーの最大貫入量は、コンクリートの局部的な弾性変形(力が加わった後に元に戻る変形)量と、塑性変形(力が加わった後に元に戻らない変形)量の和で表される。インパクトプランジャーの押し戻される跳ね返り量(跳ね返り高さ)は、問題文中の弾性変形量と塑性変形量の関係により変化し、打撃エネルギーが塑性変形に消費されることがなければ(塑性変形が小さい=くぼみが小さい)、跳ね返り高さは高くなり、コンクリートの硬度が高いことは分かる。
使用するうえで注意する点としては、適用できるコンクリートの設計基準強度が10~60N/㎜2の範囲であり、測定面の乾湿や打撃方向が結果に影響するため、補正が必要である。また、材齢によっても補正が必要となる。結果はあくまでもコンクリート表面部の推定強度であり、±3N/㎜2程度のばらつきがある。正確な強度や内部コンクリートの強度を調査する場合は、コアを採取し、圧縮強度試験をする必要がある。
