RC構造物の鉄筋腐食の進行をモニタリングするため、腐食速度の経年変化から鉄筋の単位表面積当たりの腐食量を推定することとした。腐食速度は分極抵抗Rpを測定することにより求めた。t1年の分極抵抗はRp1[Ω・cm2]であったが、その後のt2年の測定ではRp2[Ω・cm2]となった。この間の鉄筋の腐食速度が一定の割合で増加したと仮定した場合、この間の腐食量W[Ω・cm2]を表す図中の面積(着色部)として、次の(1)~(4)のうち、適当なものはどれか。

 なお、腐食電流密度icorrは、下式で表され、腐食電流密度1.0A/cm2あたりの鉄の腐食速度はα[kg/(cm2・年)]であるとする。

  icorr=K・(1/Rp)   ここで、K[V]は定数である。

解答 (4)

解説

 腐食速度は、腐食電流密度icorr=K・(1/Rp)と、腐食電流密度1.0A/cm2あたりの腐食電流速度αとの積であるため、腐食速度=αK/Rpとなる。

 ①t1年の腐食量=(αK/Rp1)×t1(小さい方の四角形)

 ②t2年の腐食量=(αK/Rp2)×t2(大きい方の四角形)

 ③t2年の腐食量-t1年の腐食量=(②-①)÷2

 したがって、(4)の台形状の面積が答えになる。

 なお、Kは金属の種類や環境条件によって異なる比例定数(単位:V)であり、コンクリート中の鋼材腐食に対しては0.026Vがよく用いられる。