下図に示すPC有ヒンジラーメン橋において、供用期間の経過とともに、中央ヒンジ部の異常なたわみを伴う変状(垂れ下がり)が認められた。このような変状が生じた原因に関する次の記述中の(A)~(D)に当てはまる(1)~(4)の語句の組合せのうち、適当なものはどれか。

過去に多く採用されていたPC有ヒンジラーメン橋は、支間中央にヒンジを設けて不静定次数を(A)構造となっている。この中央ヒンジ部で供用期間の経過に伴いたわみが生じるため、設計時に想定されるたわみ量に対して、(B)を与える対策がとられる。しかし、設計での想定よりも上部工コンクリートの(C)が大きかったことや、(D)が進行したことなどにより、異常なたわみを伴う変状が生じたと判断できる。

解答 (4)
解説
PC有ヒンジラーメン橋は、中央部にヒンジを設けて不静定次数を下げている。PC構造の主桁では、供用している間に必ずクリープや乾燥収縮が進行するため、主桁コンクリートに定着したPC鋼材が微小に緩むことで、プレストレスが低下する。このプレストレスの低下に起因する主桁のたわみ量は設計段階で算出しておき、施工時には、そのたわみ量を考慮した上げ越しを行う。上部コンクリートのクリープ係数が大きい場合や乾燥収縮の進行により、異常なたわみを伴う変形を生じさせる。
