建築後25年経過したRC造建築物の打放しコンクリートの外壁面において、中性化深さを測定したところ25㎜であった。かぶり厚さは40㎜である。√t則に従い中性化が進行すると仮定すると、図の赤破線で示すように、建築後36経過時に鉄筋腐食が開始するおそれがあると判定された。そのため、中性化速度係数が0.5倍となる中性化抑制効果を有する仕上げを施すこととした。
この対策によって、鉄筋腐食開始時期を遅らせることを期待できる年数として、次の(1)~(4)のうち適当なものはどれか。なお、中性化深さが30㎜(かぶり厚さ-10㎜)に達した時点で、鉄筋腐食が開始するものとし、仕上げ材は適切に維持管理され、中性化速度係数が0.5倍となる中性化抑制効果を保持していると仮定する。また、仕上げ材の厚さは無視する。

(1) 23年
(2) 28年
(3) 33年
(4) 38年
解答 (3)
解説
①建築後25年経過時から、無対策の状態で中性化深さが30㎜になるまでの期間と、
②建築後25年経過時から、対策した状態で中性化深さが30㎜になるまでの期間の差である。
①の期間の計算
36-25=11年
②の期間の計算
問題図にある、t2-t1の期間になる
中性化速度係数は、無対策の半分となる。
25㎜=α√25年・・・・・α=5(建築後25年経過時)
又は、
36㎜=α√36年・・・・・α=5(建築後36年経過時)
無対策の中性化速度係数α=5に対し、対策後の中性化速度係数はα=2.5
当初から対策を講じていたとして、25㎜に到達する期間として、
25㎜=2.5√t1年 t1年=100年
30㎜に到達する期間として、
30㎜=2.5√t2年 t2年=144年
t2-t1=144-100=44年
したがって、44-11=33年となる。
