温暖地域にある高架橋の雨掛かりのないRC橋脚の基部に、下の写真に示すような白色の析出物を伴った変状が見られた。これと同じ原因で生じたと判断できる(A)~(D)の変状の適・不適の組合せとして、次の(1)~(4)のうち、適当なものはどれか。

解答 (1)

解説
 コンクリート構造物に発生する白色析出物の代表的なものとして、エフロレッセンスとアルカリシリカゲル、二水せっこうがある。写真の変状は、温暖地域で雨掛かりが無く、地面に近い基部で生じているため、土壌の硫酸塩を吸い上げて乾燥する作用を繰り返すことにより高濃度となった二水石こうと考えられる。 
 (A)は、温暖地域であり、住宅の基礎であるため雨掛かりが無く、地面に近い基部で発生しているため、写真と同様の劣化環境にあるといえる。変状の状況も白色析出物の発生であり、二水石こうの可能性が高い。適である。(B)は、コンクリート打設時の打ち込み高さが高く、材料分離した状態で打込まれたジャンカである。不適である。(C)は、トンネルの背面の地下水がコンクリートの継ぎ目から漏水すると同時に発生したエフロレッセンスである。不適である。(D)は、ひび割れの状況が亀甲状であるため、アルカリシリカ反応による変状と考えられる。不適である。