夏季に普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートで施工した逆T式擁壁に、図に示すような幅0.3~0.5㎜の貫通ひび割れが発生した。このようなひび割れを抑制するための対策として、次の(1)~(4)のうち、不適当なものはどれか。

(1)セメントをフライアッシュセメントに変更
(2)配力筋方向の鉄筋を追加
(3)液体窒素による骨材のプレクーリング
(4)型枠の存置期間を短縮
解答 (4)
解説
図のひび割れは、先行して打設した第1リフトのコンクリートが、後行の第2リフトのコンクリートの水和熱の変化による収縮(打設直後は高温で膨張し、温度が徐々に低下することによって収縮する挙動)を拘束することによって発生するひび割れで、外部拘束ひび割れという。打設終了後10日~2週間程度で発生することが多い。壁を貫通するひび割れである。
このひび割れを抑制するための対策として、(1)について、フライアッシュセメントは、水和熱を低減する効果があり、温度差(膨張と収縮の挙動幅)を小さくすることが期待できるため、適当である。(2)について、配力筋方向の鉄筋を追加すると、収縮する挙動をに対抗する鉄筋が増えるため、ひび割れ抑制として適当である。(3)について、骨材をプレクーリングすると、練上がりのコンクリート温度が低下し、水和熱によるコンクリートの温度上昇を抑制できるため、適当である。なお、セメントは直接加熱してはならず、コンクリートの温度を調整する際は、水か骨材の温度を調整する。セメント温度±8℃につきコンクリート温度±1℃の変化で、骨材温度±2℃につきコンクリート温度±1℃の変化であるため、コンクリートの温度を下げたい又は上げたい場合は、水より骨材の温度調整の方が影響が大きい。(4)について、型枠の存置期間を短縮すると、初期の乾燥収縮を促進させるおそれがあり、逆効果になる。不適当である。
